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話題ごとに「それが知りたいならば,ぜひこれを」と編集部がお薦めする記事をピックアップしました。

日経サイエンス1月号をさらに深読み!( 2013-11-25 )

 現在発売中の日経サイエンス1月号「量子世界の弱値」をより楽しんで頂くために,本誌アーカイブから3本の関連記事を特別価格にてご提供致します。

 1本目は2012年3月号の「光子の逆説」。筆者は名古屋大学の谷村省吾教授。1月号「『光子の裁判』再び 波乃光子は本当に無罪か」の主題であるダブルスリット実験を徹底的に解剖しました。並んだ2つのスリットを通った光が背後のスクリーンに光の縞模様を描き出すという一見単純な実験ですが,光の波の性質と粒子の性質がどのように現れるかを調べて行くと,まるで未来が過去に影響するかのような,量子力学の不思議が見えてきます。「量子テレポーテーションと時間の矢」とも関連の深い,必見の記事です。

 2本目は同じく谷村省吾教授の「揺らぐ境界 非実在が動かす実在」(2013年7月号)です。あなたが今日観た野球の試合は,もしあなたが見ていなかったとしても,まったく同じように展開したでしょうか? そんなことは当たり前だ,と思うかもしれません。ですが量子力学の世界では必ずしもそうではないのです。バットの「位置」とかボールの「速さ」などの物理量は,「もし見なかったら」存在せず,それは実験でも検証されています。一方1月号の弱値特集は,測定する前の過去の物理量を推定してみよう,という新たな試みを解説しています。一体どういうこと? と思った方は,どうぞ2つの記事を読み比べてみて下さい。この辺の見方は,専門家の間でも一致していません。また「揺らぐ境界」を読んで疑問が湧いた人のために谷村教授が書いた付録,全26ページをこちらから無料で配信しています。

 3本目は2009年10月号,大阪大学の井元信之教授による「量子の“開かずの間”をのぞき見る」です。今号で「量子テレポーテーションと時間の矢」を執筆して下さった井元教授による実験のレポートです。光回路を使ったある特別な干渉計で実際に弱値を測ったところ,2つの光子が特定の経路を通った確率が「マイナス1」になりました。確率が負になるというのは,いったいどういうことでしょうか? 1月号「『光子の裁判』再び 波乃光子は本当に無罪か」と合わせてお読みください。

 最後は2011年11月号の古田彩「ゲージ場の証拠を撮る」。こちらは無料でダウンロードして頂けます。1月号の「光子は未来を知っている」でご紹介した弱値の提唱者,Y. アハラノフ米チャプマン大学教授と,電子のダブルスリット実験をやってのけた故外村彰日立製作所フェローの交流を描いた記事です。アハラノフ教授のもうひとつの代表的な仕事である「AB効果の提唱」を実験で実証したのが外村フェローでした。2人の30年にわたる交流をご紹介します。

※なお勝手ながら,お値引きでのご提供は1月号の発売期間中,12月25日11 時までとさせていただきます。

光子の逆説
日経サイエンス
2012年3月号 / 032ページから
特集:量子の地平線
揺らぐ境界
非実在が動かす実在

日経サイエンス
2013年7月号 / 036ページから
特集:量子力学の実像に迫る
量子の”開かずの間”をのぞき見る

日経サイエンス
2009年10月号 / 029ページから
外村彰:ゲージ場の証拠を撮る
日経サイエンス
2011年11月号 / 060ページから