プロテアソーム
細胞がタンパク質を解体する仕組み

A. L. ゴールドバーグ
S. J. エレッジ
J. W. ハーパー
200104

日経サイエンス 2001年4月号

8ページ
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 生体にとって,必要なタンパク質の合成と同様,不要なタンパク質をどう処理するかも重要な問題だ。この不要タンパク質を専門に分解する機能をもつタンパク質の超分子を「プロテアソーム」と呼ぶ。
 細胞内に不要なタンパク質や有害なタンパク質がたまってしまうと,病気の原因になることがわかってきた。アルツハイマー病やパーキンソン病,ハンチントン舞踏病などは,そうした例と考えられる。逆に,必要なタンパク質が役割を果たさずに分解される結果,生じる病気もある。
 分解される際,タンパク質には分解の目印となる酵素タンパク質(ユビキチン)が付けられる。これをプロテアソームの内部に取り込まれたタンパク質は,ブロック玩具のように個々のアミノ酸に分解される。分解されたアミノ酸は再び他のタンパク質をつくる材料として使われる。ほとんどのタンパク質は数日ごとに合成,分解され,新しく置き換わっている。
 プロテアソームの詳しい機能や,ユビキチンを付加する仕組み(選択的ユビキチン化)はまだわかっていない。こうした研究が今後進めば,生命現象とタンパク質分解のかかわりがよく深く理解されるようになるだろう。