小惑星衝突が大陸を生んだ

S. シンプソン(SCIENTIFIC AMERICAN編集部)
201004

日経サイエンス 2010年4月号

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 ニュース番組などで製鉄所の溶鉱炉から溶けた真っ赤な鉄が流れ出る映像を見たことがあるかもしれない。約46億年前,誕生直後の地球は溶鉱炉の中のような高温で,全体が液状化したマグマの海だった。冷めるにつれてマグマの海の表面に薄い岩がプカプカ浮き始めたが,そのころは小惑星が頻繁に落ちていた。約38億年前ころには地球はかなり冷え,原始の海が地表を覆い生命が誕生した。その後,地球内部の活動によって大陸の形成活動が活発化,32億年前には現在の地球に見られるような正真正銘の大陸が誕生した。大陸はプレート運動によって離合集散し,1つに集まって超大陸になったり,分裂したりしたことがわかってきている。謎が多いのは最初の大陸が生まれるまでのプロセスだ。大陸形成は徐々にものごとが進行したのではなく,何か“きっかけ”があったのではないかと思われる地質学的な証拠が得られている。では,その“きっかけ”とは何か? 太古の大陸の研究から,38億年前以降も巨大小惑星の衝突が何度かあり,それによって地下深部のマントルの活動に大きな影響を与えた可能性が浮かび上がってきた。

再録:別冊日経サイエンス195「空からの脅威」