ミレニアム特集:2050年大予測
科学はどこまで進むのか
次の大発見は何か

J. マドックス
200001

日経サイエンス 2000年1月号

7ページ
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新たなミレニアムを迎え,2050年までを見通して大発見を予測するのは容易なことではない。だが,ちょうど100年前を振り返ったうえで,当時の将来見通しを考えると,これからの予測もしやすくなる。
 100年前の科学者は,エネルギー保存則を見つけたジュールやダーウィンの『種の起原』,マクスウェルの電磁方程式の発見など,当時の成果をもとに充足感に浸っていた。しかし,一部の科学者は当時の科学に多くの不都合があることを直観し,それがアインシュタインの相対性理論やシュレディンガーなどによる量子力学に発展した。さらにワトソン,クリックによるDNAの2重らせん構造の発見が生命科学を大きく飛躍させた。
 こうした過去の状況を考えると,わかっていないところこそ,大発見の種があることになる。現在の科学を見渡すと,その例としては遺伝子レベルでの進化やRNA生物の解明などの課題があり,さらに生命科学では遺伝子の機能を単純に考え過ぎ生命の全体像をとらえきっていないこともあげられる。物理学でも自然界の4つの力の統一理論などもこれからの課題になっている。