発見相次ぐ太陽系外惑星

L.R.ドイル
H.-J.ディーグ
T.M.ブラウン
200012

日経サイエンス 2000年12月号

10ページ
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 広大な宇宙に太陽系のような惑星系があっても不思議はない。現在までに発見されている太陽系外惑星はすべて木星のような大型の惑星だ。新しい観測手法が編み出され,太陽系外の地球型惑星発見に期待がかかっている。
 太陽系以外に存在する惑星を直接見た人間はまだいない。しかし,昨年の秋,2人の天文学者が系外惑星の有力な証拠を得た。それは「惑星の影」だ。ハーバード大学の大学院生シャルボノー(David Charbonneau)は,太陽に似たHD209458という星の光度変化を調べていた。同じころ,テネシー州立大学のヘンリー(Greg Henry)も別個に同じ星を観測していた。
 それは目立った星でもなかったし,名前を持っているわけでもなかったが,一時にして有名になった。木星の2/3以上の質量を持った惑星がこの星の周りにあるという。ただし惑星は,星に引き起こされる「ゆらぎ」によって,間接的に検証されているにすぎなかった(この方法を視線速度法という)。シャルボノーとヘンリーは違った方法で惑星の存在を検証しようとした。「惑星が恒星の前面を通過すれば,恒星からの光の一部が惑星で遮られるのではないか」と。
 つまり,恒星は特徴的なパターンで暗くなるのではないだろうか。このような事象は「前面通過」と呼ばれる。前面通過が起こるには,惑星の軌道をほぼ真横から見る必要がある。これは思っているほどあり得ないことではない。例えば,HD209458のように,惑星軌道が恒星にとても近い場合には,可能性が10%くらいある。
 前面通過法など新しい観測手法も編み出され,太陽系外惑星の発見のペースは加速している。