光干渉計で星の素顔を探る

A. R. ハジアン
J. T. アームストロング
200106

日経サイエンス 2001年6月号

10ページ
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 約20年前,ハジアン少年は父の双眼鏡を持ち出し,夜中に家の外に忍び出た。その天文学者の卵は空に見える星を回っている惑星に遊び友達を探そうと思った。残念なことに,その双眼鏡では空の様子は全然変わらず,肉眼で瞬く光の点に見えるのと同じように点に見えた。最も巨大な恒星は私たちの太陽系をその光球の中に飲み込んでしまうほど大きいが,太陽を除くすべての星はあまりに遠すぎて双眼鏡では大きさも分からない。
 20年経った今,ハジアンは少なくとも最も明るい星のいくつかを,光の点ではなく丸い形状(円盤)として見ることができるようになった。このように星を鮮明に見えるようにするのには,130年以上前に提案された干渉計という技術手法を使っている。この手法を使う場合,双眼鏡や普通の望遠鏡をのぞく代わりに,光干渉計と呼ばれる装置につながったコンピューター画面を見なければならない。過去半世紀以上の間,電波を使った干渉計は見事な成功を収め,遠方の銀河やクエーサーの電波放射から天体の構造を映像化した。しかし,ここ15年の間に,技術の進歩で赤外線と可視光の波長域での干渉計を可能にした。得られる結果は待っただけの価値のある映像になってきた。ハッブル宇宙望遠鏡は暗い天体の鮮明な写真をとる装置として現在最高だ。しかし,地上の光干渉計は,最も明るい星なら,ハッブルの100倍も細かに見える。