解き明かされる味覚の情報伝達

D. V. スミス
R. F. マルゴルスキー
200106

日経サイエンス 2001年6月号

9ページ
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 科学者は一般に人間の味覚を4つの種類(基本味)に分けて表現している。塩味,酸味,甘味,苦味,うま味である(英語でもumamiという)。
 ここ数年,さまざまな研究から,味を感じる仕組みが急速に解き明かされてきた。著者の1人,マルゴルスキーは,舌の味細胞が甘味と苦味物質を感じるために重要な役割を担うタンパク質を発見した。そのタンパク質は視覚の認識にかかわるものとよく似ていることもわかった。
 もう1人の著者,スミスらは,脳の神経細胞(ニューロン)や神経線維が同時に異なる種類の信号に応答する証拠をつかんだ。その仕組みは,網膜からの視覚信号がいくつもの色に反応できるという点で視覚の伝達にも似ている。
 味覚は感覚研究のなかでは未開の分野に近かったが,こうした発見によって,光明がさし始めている。(本文より)