LEDが達成した究極の白色光

M. G. クラフォード
N. ホロニアック
F. A. キッシュ
200106

日経サイエンス 2001年6月号

7ページ
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 発光ダイオード(LED)による革命が,まさに私たちの目の前で起こっている。電子機器の表示で赤や緑に小さく輝くLEDは,広い分野で電球に置き換わり始めている。理由は何か。LEDは電気を色のついた光に変える効率が,電球より良いからだ。例えば,赤い光ならば,変換効率が10倍良くなる。LEDは丈夫で小型だ。驚くべきことに10万時間,つまり,通常の使い方で10年間も光り続けるLEDもある。対照的に,電球の耐久時間は平均1000時間だ。さらに,LED光の明るさや色はダイオードで大型ディスプレーを作れるほど改善された。おそらく最も目立つLEDディスプレーは,米ニューヨーク市のタイムズスクエアにある8階分もある米店頭株式市場(ナスダック)の掲示板だろう。
 現在,LEDの製造価格を下げ,変換効率を上げ,役立つ色合いを増やそうという動きが加速している。赤,緑,青の3色のLEDを組み合わせることで,白色光が作れ,産業界が期待する安価な大市場が可能になる。LEDは,いつかエジソン(Thomas Edison)の発明以来1世紀以上続いてきた電球に取って代わるだろう。
 LEDは徐々にではあるが,すでに電球に取って代わり始めている。欧州では,生産している自動車の60?70%はブレーキランプにLEDを使っている。米国でもその方向にある。また,米国内の赤信号の約10%がLEDをすでに使っている。