思考でロボットをあやつる

M. A. L. ニコレリス
J. K. チェーピン
200301

日経サイエンス 2003年1月号

10ページ
( 2.0MB )
コンテンツ価格: 700

脳の運動ニューロンが生み出す電気信号を変換して機械を動かす実験がラットやサルで成功している。こうした脳-マシン・インターフェースの研究が順調に進めば,近い将来,脊髄損傷などで手足に障害をもつ人たちの行動の助けとなるだろう。
 実験では,脳に埋め込む微細ワイヤを最初に実験に成功したのはラットを使った実験だった。レバーを押すと水が飲める装置を作り,操作を覚えさせた後,前足でレバーを押す動作を想像するだけで,装置を制御できることを学習させた。この実験がうまくいった背景には,脳に埋め込む微細ワイヤを使った電極の開発,ニューロンの信号を取り出し,増幅させるシステムおよびソフトウエアの設計などがある。
 その後,ヨザルやマカクザルを使って,ロボットアームを制御する実験などが成功した。マカクザルでは1年以上にわたって,脳の100個近いニューロンの活動電位を測定できるようになり,医療応用への期待が高まっている。(編集部)