火星大接近

渡部潤一
200310

日経サイエンス 2003年10月号

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いよいよ8月27日に火星が大接近。今回は地球からの距離が5576万kmにまで近づくもので,紀元前5万7538年以来の大接近だ。今も天気さえよければ,東南の夜空にひときわ大きく赤く輝いて見える。火星は昔から運河や火星人などロマンあふれる物語とともに語られてきたが,米国のバイキングやグローバル・サーベイヤーなど探査機のおかげで,その素顔はかなりわかってきた。
 これまでに探査機がとらえた画像を見ると,エベレストの3倍もの高さにそびえる巨大な火山や深い峡谷,かつて水が流れた痕跡などが手に取るようにわかる。また,火星の砂嵐はひとたび起きると火星全体を覆うほど大きくなることもあるが,どうしてそうなるのだろうか。大接近を機会に,美しい画像を見ながら渡部先生に火星の素顔を紹介してもらった。現在も日米欧の4機の探査機が火星に向かっているが,来年初めに火星に到着すれば生命が存在するのかどうか,明らかになるかもしれない。