エネルギーの未来
効率向上暮らしから考える

E. K. ヨーヘム
200612

日経サイエンス 2006年12月号

4ページ
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エネルギー利用効率の向上は大気への温暖化ガス排出の削減策として大きな可能性を秘めているにもかかわらず,原子力や水素,再生可能エネルギーといった,派手な代替エネルギーに比べるとほとんど注目されない。だが,包括的なエネルギー効率向上の戦略が策定できれば,最も手っ取り早く,安上がりに二酸化炭素(CO2)排出量を減らせる。収益性を確保しながら,驚くほどの効果も上げられる。
 
エネルギー効率の向上は,石油などの「一次エネルギー」を電気などの「エネルギー担体」に,さらには家庭で使うトースターの熱のような「実用エネルギー」に転換するまで,エネルギーチェーン(エネルギーの流れ)のすべての段階で実現できる。
 
気候変動の影響や,予想されるエネルギー価格の高騰を考慮するなら,エネルギーチェーンのいたるところで起こるエネルギー損失は改善の好機ともとらえられる。カギとなるのはエネルギー効率だ。エネルギーと材料が大量に使われている現状を変える,新しい技術と手法が必要だ。