グラフで見る 牛肉消費と温暖化ガス

N. フィアラ(カリフォルニア大学アーバイン校)
200905

日経サイエンス 2009年5月号

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 「牛が地球温暖化の原因に」というと,糞尿やげっぷに含まれるメタンガスが有名だ。でも牛肉を食べることによる温暖化効果はそうした直接の影響だけではない。家畜として牛を育てるには,牧草やトウモロコシなど大量の植物性飼料を食べさせなければならず,放牧する場合は広い牧草地が必要だ。いずれもそのためにCO2(二酸化炭素)吸収効果のある森林が失われることになる。穀物や野菜を栽培してそれを人間が食べるより,牛肉の生産ははるかに生産効率が悪く,それだけ温暖化に与える影響も大きい。豚や鶏でもその点は同じだが,牛は体が大きい分,さらに効率が悪い。牛肉1kgを生産するとCO2換算で14.8kgもの温暖化ガスが発生する。これは鶏肉の13倍,ジャガイモの57倍だ。世界の人口増加と経済成長とともに貧しかった地域でも牛肉を食べるようになってきており,牛肉の需要は今後ますます増大しそうだ。