アマゾンに栄えていた田園都市文明

M. J. ヘッケンバーガー(フロリダ大学)
201001

日経サイエンス 2010年1月号

9ページ
( 11.3MB )
コンテンツ価格: 600

【ダウンロードお試しキャンペーン開催中!】
この分野への理解が深まる記事とセットになったPDF「古代文明の知恵とロマン」を
特価200円でお求め頂けます。(期間限定)

 アマゾンと聞いて多くの人が思い浮かべるのはどんなイメージだろう。ジャングル,入り組んだ河川,野生の王国,原始的な社会で暮らす部族……。ところが,手つかずの自然と思われていた密林の下から高度な古代社会の痕跡が見つかった。古代都市というと,石造建築物が並んでいるものと捉えられがちだが,アマゾンに眠っていたのは小さな町と村がネットワークでつながった緑豊かな田園都市だ。
 著者はブラジル・アマゾンのシングー地域に住む先住民族のクイクロ族と生活をともにし,かつてこの地域に繁栄していた古代の町や村,道路を発掘した。この文明では,家の中のレイアウトから集落内の配置,集落の分布など,すべての物事の配置に一定の原則が使われ,計画的に設計されている。まっすぐにのびた幅数十mの幹線道路が町と町を結び,広域にわたるネットワークを形成していたようだ。さらには,アマゾンの痩せた土壌を改良し,周期の長い輪作を開発して持続可能な農業を行っていた。
 多くの要素は現在のクイクロ族の生活にも受け継がれているが,その規模は今より10倍も大きかったようだ。現在,開発が進み森林破壊が深刻化するアマゾンで,問題解決のためのヒントが歴史に隠されているかもしれない。