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アマゾンの地は環境があまりに過酷なため高度な文明は発生しないと,かつて人類学では考えられていた。ところが実際は,「アマゾンに栄えていた田園都市文明」にもあるとおり,アマゾンの各地で大規模な文明の痕跡が見つかっている。その存在が確認された地を挙げると,アマゾン河口のマラジョ島,サンタレム地域,マナウス近郊,シングー川上流域,エクアドル・ウパノ川上流域,ペルー・アマゾン,ブラジル・アクレ州のリオ・ブランコ一帯,ボリビアのモホス大平原などがある。
これらのアマゾン古代文化群の中で最大規模を誇るのが,ボリビア・アマゾンにあるモホス大平原に存在したものだ。面積にして25万km2に及ぶ広大な氾濫原の全域にわたって,2万カ所を超える居住地跡や直線道路,運河網,広大な農耕地跡,巨大な人造湖が見つかっている。
著者はこの文明の解明を目的とした日本・ボリビアの合同調査プロジェクトを実施しており,本記事ではその研究成果を古代アマゾン文明の歴史や特徴と交えて紹介する。