特集:臨界点に迫る地球
経済成長を捨てよ

B. マッキベン(ミドルベリー大学)
201007

日経サイエンス 2010年7月号

7ページ
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 個別の環境悪化を和らげて特定の資源消費を抑える魅力的な策はいくつかある。しかし,ミドルベリー大学の客員で気候変動防止行動を訴えるグループ「350.org」の共同創設者であるマッキベン(Bill McKibben)は,地球滅亡を本気で止めるには,社会がその最も疲弊的な慣習を捨てねばならないと主張する。「経済成長」だ。
 マッキベンは新著「Eaarth: Making a Life on a Tough New Planet」で,人類はその行動の結果として,以前とは根本的に異なる世界に住んでいると主張する。彼が「Eaarth」と呼ぶ世界だ。この天体は,過去200年にわたって社会を動かしてきた経済成長をもはや支えられない。人類が破滅を避けるには,より永続的で局地化された経済に転換することによって,富と資源の維持を目指す必要がある。
 この記事「経済成長を捨てよ」で,マッキベンは著書からの抜粋の形で自分の主張を述べている。局地的な農業とエネルギー生産の成功例も紹介している。
 拡大ではなく,富と資源の維持を社会の新しい駆動力とする必要があるという主張に対し,そんな考え方は非現実的だという批判がある。 SCIENTIFIC AMERICAN編集部はこの批判に対するマッキベンの考え方を聞き,インタビュー記事「マッキベンにただす『ゼロ成長は必要なのか?』」としてまとめ,併せて掲載した。