特集:「終わり」を科学する
大予測 破滅の確率

J. マトソン(SCIENTIFIC AMERICAN編集部)
201012

日経サイエンス 2010年12月号

2ページ
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 「かくて世の終わり来たりぬ 地軸くずれるとどろきもなく ただひそやかに」とうたったエリオット(T. S. Eliot)には失礼ながら,世界が実際に終末を迎えるときにはおそらく,すすり泣きの声ではなく,爆発の大音響がとどろくだろう。
 核戦争など人類自らのなせるわざであれ,小惑星衝突といった自然現象であれ,文明を終わらせ,さらに他の生物種の存続まで危うくするような大異変はたくさん考えられる。
以下に,いくつかの終末シナリオについてその可能性を評価した。気候変動などよく知られている脅威から,「量子ゆらぎ」が原因となってこの宇宙が破壊されるといった空想的な考えまで,いろいろある。
 ここに示した確率は科学的事実の反映ではないが(先例のない出来事の確率を見積もるのは不可能だ),研究者の専門的見解に基づいた見識ある推測だ。また,専門家の見方に基づいて,各事象がどれだけ壊滅的な影響をもたらすかを,破壊度1(局所的な大混乱)から破壊度10(宇宙の終わり)までの10段階で示した。
 取り上げた破滅のシナリオは,「超ド級の太陽嵐」「殺人的パンデミック」「とめどない地球温暖化」「スーパー火山の噴火」「核戦争」「巨大な小惑星衝突」「近傍宇宙でのガンマ線バースト」「泡核形成」の8つ。