もうひとつの温暖化危機 北上する赤道降雨帯

J. P. サックス(ワシントン大学)
C. L. ミアボルド(在プリンストン大学)
201106

日経サイエンス 2011年6月号

7ページ
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 赤道の北側で地球をぐるりと取り巻いている雲,それが「赤道降雨帯」だ。この降雨帯は赤道付近の農業地域に恵みの雨をもたらすだけでなく,全世界の降雨パターンに影響を及ぼしている。著者らの研究によって,気温が上がれば降雨帯も北上し,気温が下がると南下することがわかった。降雨帯の位置は気温の変化に敏感に反応するのだ。今後予測される温暖化で,人々の暮らしが脅かされる事態が懸念されている。