みんなの衛星キューブサット

A. S=K. パン(オックスフォード大学)
B. トウィグス(モアヘッド州立大学)
201109

日経サイエンス 2011年9月号

7ページ
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 世界初の人工衛星スプートニクは机にのるほどの大きさだった。以降,大型化の一途をたどり,半世紀後にはサッカーグラウンドほどもある国際宇宙ステーションが地球を周回するようになった。ところがここに来て電子技術の高度化と打ち上げ機会の多様化,低価格化を背景に新たな潮流が生まれた。各国の大学や研究機関では,手のひらサイズの人工衛星キューブサット作りが盛んになっている。一辺10cmのサイコロ型で重さ1kg。これを2〜3個合わせた形にすることもある。当初は「おもちゃのようなもの」と思っていた宇宙開発関係者も注目しており,新たな宇宙技術の試運転にキューブサットを使う試みも始まった。 1万ドル以下の「打ち上げ付きキューブサット・キット」の発売を計画しているベンチャーもある。
 かつてコンピューターは巨大かつ非常に高額で,作るのも使うのも専門家頼りだったが,米アップルが世界初の家庭用パソコンを生み出して以来,急速に社会に普及した。好きなソフトウエアを載せて使うほか,手作りパソコンをホビーとして楽しむ人も増えている。キューブサットは,衛星界の“パソコン”になるかもしれない。