哺乳類の祖先を襲った温暖化

L. R. カンプ(ペンシルベニア州立大学)
201110

日経サイエンス 2011年10月号

7ページ
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恐竜が闊歩していた中生代は温暖で,南極大陸に植物が茂り恐竜がいたことがわかっている。この温暖期は6500万年前の巨大隕石の落下で終わりを迎えたが,その約1000万年後,哺乳類の天下となった新生代の地球においても非常に温暖な時代があった。北極点に近い島にヤシやシダが生い茂り,ワニが生息していた。その時の地球の気温の上昇ペースは激しく,現在の温暖化をしのぐと考えられていた。ところが近年の詳しい調査研究で,それほど急ではなかったことがわかった。裏返して言えば,現在の温暖化は46億年の地球の歴史上,最も急激なものである可能性が出てきた。多くの生物はこの変化についていけない恐れがある。