有人飛行は“飛び石作戦”で

D. ランダウ
N. J. ストレインジ(ともにNASA ジェット推進研究所)
201202

日経サイエンス 2012年2月号

10ページ
( 5.0MB )
コンテンツ価格: 713

 火星への有人飛行を実現するための最大の障壁は技術ではない。予算だ。かつては国を挙げて月への一番乗りを目指したアメリカだが,今では宇宙開発も時の政治や経済の状況に大きく左右される。目的地を1カ所に定め,そこへの到達にすべてをかける従来型の戦略では,予算が減ったらたちまち膠着状態に陥る。火星に直接向かうのではなく,月や小惑星,火星の月などを経て一歩ずつ火星に近づいていく“飛び石型”の計画はどうだろうか? 予算の額や技術の進歩に合わせて中間目的地は柔軟に変更できるし,必要な技術も蓄積できる。途中に宇宙機や燃料を置いておけば,火星への旅にかかるコストも低減でき,一石二鳥だ。