遺伝子組み換え蚊でデング熱を撲滅

B. P. トリベディ(サイエンスライター)
201202

日経サイエンス 2012年2月号

10ページ
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 遺伝子操作によって飛べなくした蚊が,すでに何百万匹も野に放たれている。デング熱を媒介するネッタイシマカだ。交尾の機会をなくしてこの蚊を根絶し,デング熱の広がりを抑えるのが狙い。操作した遺伝子はジェームズとアルフェイという2人の分子生物学者によって発見されたが,2人の実用化戦略には大きな違いがあった。法規制の厳しいメキシコに実験施設を作り,遺伝子組み換え蚊の野外試験に向けて現地との対話を続けるジェームズ。ベンチャー企業を立ち上げ,法規制の少ない地域で蚊の放出に踏み切ったアルフェイ。アルフェイの試みは社会的論議を招いたが,彼はなお強気だ。遺伝子組み換え蚊で病気を抑える新たな試みの行方は…。