Mサイズのブラックホール

J. E. グリーン(プリンストン大学)
201204

日経サイエンス 2012年4月号

10ページ
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 ブラックホールは重い星が爆発して生み出されるが,その質量は最大でも太陽の100倍程度。一方,多くの銀河の中心には太陽の数百万倍から数十億倍の質量のブラックホールがある。前者をSサイズとすれば後者はLサイズだが,宇宙にはLサイズの種となるMサイズがほとんど残っていない。
 熱心な探索にもかかわらず見つかったのは100個程度だ。Mサイズの誕生シナリオには,Sサイズが集まってできたとする説と,巨大ガス雲が星の段階を経ることなく一気にMサイズのブラックホールになったという説がある。宇宙初期,すでにLサイズが存在していたこと,Mサイズが特定タイプの銀河にしかないことは後者の説が有力であることを物語る。翻訳はブラックホール研究で知られる大阪教育大学の福江純教授。

再録:別冊日経サイエンス196「宇宙の誕生と終焉 最新理論でたどる宇宙」