動く遺伝子がつくる個性

F. H. ゲージ(ソーク研究所)
A. R. モートリ(カリフォルニア大学サンディエゴ校)
201206

日経サイエンス 2012年6月号

7ページ
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 双子(一卵性双生児)の兄弟や姉妹が入れ替わって学校に行き,クラスメートの意表を突く行動に出て大騒ぎ……というような筋書きはお話としてはありそうだが,見かけはそっくりでありながら性格や個性がまったく違う場合が現実にもある。一卵性双生児なら遺伝子が同じで,生育環境も同じなら個性も似てくるように思えるが,なぜ違いが生まれるのか? 近年,注目されているのは“ジャンプする遺伝子”だ。この遺伝子は自身の複製を作り出してはゲノム内の別の領域に挿入していく。この遺伝子の移動が,お母さんのお腹の中にいる胎児の脳でも成人の脳でも起きていて,最終的に脳の機能に差異をもたらしている可能性がある。