HIVに感染しない細胞

C. ジューン
B. レバイン(ペンシルベニア大学)
201206

日経サイエンス 2012年6月号

8ページ
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 ここ数十年間でHIVへの感染が確認された人は全世界で6000万人を超え,死者は2000万人以上に達する。3人に1人が命を落としたことになるが,現在,抗HIV薬をきちんと服用すれば普通の生活を続けられるようになった。とはいえ,抗HIV薬でできるのは体内のウイルス量を抑えてエイズの発症を防ぐところまで。ウイルスを一掃することは難しいと考えられていた。ところが過去に一人だけ,体内からHIVが消え根治したとみられる患者がいる。この患者に施された治療法を手がかりに,HIVに感染しない免疫細胞を患者の体内で増やす試みが進んでいる。初期の臨床試験では有望な見通しが得られたという。