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エジプト政府は昨年1月,情報通信史上,前例のない行動に踏み切った。インターネットを遮断したのだ。それは簡単なことだった。同国の大手プロバイダー5社に当局が電話をかけるだけで,ネットユーザーの93%がアクセス不能になった。インターネットはもともとは米国発の軍事技術で,通信網が攻撃を受けて寸断されても通信が維持される設計思想だった。しかし現状はエジプトに限らず,どの国でもプロバイダーを介さないと個人はどこにも接続できない集中型の構造になっている。
プロバイダーに依存しない,つまり検閲や遮断を回避できるネットワークを再構築することは可能か。それを模索する動きが,利用者側から出始めた。実現すれば地震や津波など,地域のインフラを破壊してしまう広域災害にも強いネットが実現するはずだ。