特集:ヒッグス粒子
小林・益川両氏が語るヒッグス後

小林誠(高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授)
益川敏英(名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構機構長・特別教授)
201209

日経サイエンス 2012年9月号

4ページ
( 1.3MB )
コンテンツ価格: 509

 欧州合同原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)実験で見つかった粒子はヒッグス粒子と考えていいのか。ヒッグス粒子と確認するためには,どのような実験・観測が必要なのか。今回の発見は,素粒子物理学発展の歴史の中で,どのような意味があるのか。物理学の理論は今後どのような進展を見せそうなのか。ヒッグス粒子と見られる新粒子の発見について,素粒子理論の研究で2008年にノーベル物理学賞を受賞した小林誠(写真右),益川敏英両博士(写真左)にインタビューした。

 「LHC実験で発見された新粒子はヒッグス粒子であると考えるのが自然だ」「素粒子の標準モデルが完成,ヒッグス粒子は新しい理論へのヒントとなる」(小林誠)

 「今回見つかった新粒子は超対称性理論によって説明がつく可能性が高い」「30年あまり無風状態だった素粒子の理論に新たな展開が訪れるだろう」(益川敏英)