特集:マイクロバイオーム
究極のソーシャルネット

J. アッカーマン(サイエンスライター)
201210

日経サイエンス 2012年10月号

9ページ
( 2.5MB )
コンテンツ価格: 600

 人体には,自身の細胞の10倍にも及ぶ細菌細胞が存在する。共生細菌や細菌叢,マイクロバイオームなどと呼ばれるこれらの細菌の集団は,複雑な生態系を構築して,私たちの健康に有用な役割を果たしていることがわかってきた。
 この細菌たちは,私たちが自分で作る事ができない栄養素を作ってくれたり,健康を維持する免疫反応をコントロールしてくれたりする。その様子は,究極のソーシャルネットと呼ぶのにふさわしい。
 ところが残念なことに,人間の生活の変化,とりわけ抗生物質の使用によって,こうした有用な微生物が減る傾向にある。その結果,自己免疫疾患や肥満が増加している可能性がある。