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昨年,素粒子ニュートリノが超光速で飛ぶという実験結果が発表されて大ニュースとなったが,誤りと判明した。実は約30年前にも似たような騒動があった。量子論の基本的性質を使って設計された「超光速通信機」なる装置の論文が学術誌に投稿されたのだ。「相対性理論に反するから絶対誤りがあるはず」と査読した専門家らは考えたが,見つけられなかった。査読者の1人は「この論文の間違いは中身の濃いものに違いなく,物理学に新たな進展をもたらすだろう」と主張した。実際,この論文がきっかけで誰も認識していなかった量子力学の新たな側面が見いだされた。こうした価値の高い発見をもたらすような“優れた間違い”の事例を紹介する。