緊急特集:山中伸弥京大教授がノーベル賞受賞
2012年ノーベル賞 山中伸弥京大教授 iPS細胞で栄誉

古田 彩(編集部)
201212

日経サイエンス 2012年12月号

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 山中伸弥京都大学教授に2012年のノーベル生理学・医学賞が授与されることが決まった。身体の細胞がたどってきた分化のプログラムを巻き戻し,かつて受精卵がわずかに分裂した胚だった時のようにどんな細胞にもなることができる人工多能性幹細胞(Induced Pluripotent Stem Cell, iPS細胞)を作った成果が評価された。共同受賞者は英ケンブリッジ大学のJ. B. ガードン教授。オタマジャクシの体細胞の核を卵の中に入れることで「初期化」,受精卵のように働かせることに成功し,後の山中教授の研究の源流となった。

 物理学賞は量子力学の不思議な多重状態「シュレーディンガーの猫」を原子や光子を使って作り出し,観測した米国立標準技術研究所のD. ワインランド博士と仏高等師範学校/コレージュ・ド・フランスのS. アロシュ教授に, 化学賞は細胞の情報センサーとなる膜タンパク質GPCRの研究で先駆けた米国のR. J. レフコウィッツ博士とスタンフォード大学のB. K. コビルカ博士に授与される。