ペンギンの数奇な歩み

R. E. フォーダイス(ニュージーランド・オタゴ大学)
D. T. セプカ(ノースカロライナ州立大学)
201303

日経サイエンス 2013年3月号

8ページ
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 ペンギンは冷たい南極海を自由自在に泳ぎ回り,水深約500mまで潜って魚やイカ,オキアミを探す。空を飛ぶ唯一の機会は,水中から飛び上がって氷の上に戻る一瞬だけだ。いったいどのような進化の道筋をたどって,こんな奇妙な鳥が登場したのか,よくわかっていなかった。それが近年,古代ペンギンの化石が相次いで発見され,研究が進んだ結果,酷寒の極域に耐える能力は,地球が今よりはるかに暖かかった時代に育まれていたことが明らかになった。その祖先は,恐竜が絶滅した6500万年前の気候の大変動をも生き延びた可能性があることも浮かび上がった。そんな彼らだが,現在の急激な温暖化には適応できないかもしれないという。