特集:越境汚染
黄砂が運ぶ微生物

中島林彦(編集部)
協力:岩坂泰信(滋賀県立大学)
201305

日経サイエンス 2013年5月号

8ページ
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 黄砂は中国内陸の砂漠地帯から舞い上がり,西風に乗って日本にやって来る。この黄砂に微生物が付着して数千kmを旅していることが近年の研究でわかってきた。サハラ砂漠の砂塵にも同じように微生物が乗り,大西洋を横断している可能性が高い。微生物は高度数千mの上空を地球規模で移動しているようだ。黄砂とともに飛来する微生物の中には有用なものもいるが,健康に悪影響を及ぼす恐れのあるものもいる。黄砂は雲粒を生み出す種になるが,黄砂に微生物が付着すると,より雲粒ができやすくなる可能性がある。微生物は気候にも影響を及ぼしているのかもしれない。

再録:別冊日経サイエンス195「空からの脅威」