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第27回 スピントロニクスを誰にでもわかる形に

湯浅新治(産業技術総合研究所 ナノスピントロニクス研究センター長)
201306

日経サイエンス 2013年6月号

4ページ
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コンテンツ価格: 509

電子のスピンと電荷の両方を操って
新たな物理現象を実現する
科学の発見を人々にわかる技術につなげるのが狙いだ

エレクトロニクスの先端分野,スピントロニクス研究の第一線にいる湯浅新治は,巨大TMR(トンネル磁気抵抗)効果を用いた素子の発明者として知られる。「性能の高い巨大TMRを実現したと言っても,一般の人には何のことやらでしょう」とさらりと話すが,湯浅の素子はハードディスクドライブの磁気ヘッドの性能を飛躍的に高め,ほとんどの製品に採用されている。基礎的な発見を一般の人がわかる形に応用して「世の中に夢を与えたい」。その思いを原動力に,大幅な省電力につながる新型メモリーの実現を目指している。 (文中敬称略)