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1979年に世界保健機関(WHO)が天然痘の根絶を宣言してから30年以上。人類を脅かした死病は地上から一掃されたが,その成功の裏で,新たな公衆衛生上の懸念が浮上している。天然痘ワクチンの接種が行われなくなったことで,これまでワクチンによって守られていた同じポックスウイルス属のサル痘や牛痘のウイルスに対して無防備になってしまったのだ。実際,アフリカのコンゴなどで行われた調査によれば,サル痘の患者は大幅に増えている。ウイルスが人に適応して変異し,人から人へと容易に伝搬するようになれば,人類にとっての新たな脅威にもなりかねない。専門家は監視を強めている。