フロントランナー 挑む
第36回 宇宙からアジアの農地を見つめる:本郷千春

落合裕美(日本科学未来館)
201403

日経サイエンス 2014年3月号

4ページ
( 1.6MB )
コンテンツ価格: 500

緑のイネや黄金のコムギを宇宙を飛ぶ衛星から眺めると
その景色は今年の収穫や作物の出来を物語る
地球観測技術を,日本とアジアの農業のために役立てたい


 ベテランの農家は作物の葉や土の色を見ただけで,「肥料が足りない」「水が多すぎる」などの状況を判断し,農作業を細かく調整している。そうしたプロの目を衛星写真で代替できないか──千葉大学の本郷千春は90年代,時代に先駆けてそんな未来図を描き,実現への道筋をつけた。 (文中敬称略)
 衛星画像と,実際に田畑で測定したデータを突き合わせ,その関連を明らかにする。そうすれば実際に現地に行ってデータを測定しなくとも,衛星画像から田畑の状態を見極め,作物の収量や品質を予測することが可能になるかもしれない。衛星画像なら広い範囲を一度に調べることができるし,天災にあった田畑の被害状況を確認したり,耕作が放棄された山奥の土地の現状を知るのにも役立つだろう。(文中敬称略)