特集:無意識のわな
アインシュテルング効果
良案が排除されるわけ

M. ビラリッチ(墺クラーゲンフルト大学)
P. マクラウド(英オックスフォード大学)
201405

日経サイエンス 2014年5月号

6ページ
( 2.8MB )
コンテンツ価格: 611円 (10%税込)

 「アインシュテルング効果」とは,問題の解のうち最もなじみ深いものに脳が固執して,その他の解を無視してしまう頑固な傾向のことだ。この精神現象は1940年代から知られていたが,どのようにそれが生じるのかについて確かなことがわかったのは最近だ。チェスを指しているプレーヤーが定石にとらわれ,よりよい指し手の手がかりとなるマス目が目に入らなくなっていることが,目の動きを追跡する近年の研究によって示された。