「地球最古の岩石」論争

C. ジンマー(サイエンスライター)
201406

日経サイエンス 2014年6月号

7ページ
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 地球が生まれたのは46億年近く前のこと。初期の岩石がそのままの形で残っている例はごくまれで,最古とされる試料は39億2000万年前のものだ。ところが,カナダのヌヴアギツク・グリーンストーン帯という場所で新たに見つかった岩石はこの記録を塗り替えるかもしれない。44億年前にさかのぼるとする解析結果が2008年に発表され,大論争となっている。放射性同位体に基づく年代測定に誤りはないものの,別の研究グループはこの岩石ができたのは38億年前であって,44億年前の痕跡を部分的に保存しているだけだと主張する。現時点では勝負がつかない。この石は地球史の空白を埋める貴重な試料なのだろうか……。