特集:世界の科学力
“中国産”特許が示す新潮流

L. ブランステッター
G. リー
F. ベローゾ(いずれもカーネギー・メロン大学)
201406

日経サイエンス 2014年6月号

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 中国の経済界は1996年から2010年の間に研究開発費を年率26.2%のペースで増やした。中国人が取得した米国特許の件数は同期間に4628%も増えた。いったい何が起こっているのか? これらの特許を詳しく見ると,その大半は中国企業ではなく多国籍企業が保有している。中国が海外企業に対し国境をより完全に開放したこと,中国市場の巨大さと急成長が誘因となって,多国籍企業が早い段階から現地に研究開発センターを設立したこと,インターネットによって中国の技術者が全世界の仲間とほぼリアルタイムで共同研究できるようになったことが背景にある。こうした「国際共同発明」は中国が取得した欧州特許の顕著な特徴にもなっている。

 国際共同発明は中国だけでなくインドや東欧でも生まれ始めている。この現象は世界で何か新しいことが起きているしるしだ。研究開発の国際分業を通じて,新興経済国の技術者と多国籍の技術専門家が結びつくようになっている。これはよいことだといえる。それどころか,21世紀に人類が直面する技術的難題に対処するには不可欠だといえよう。