フロントランナー 挑む
第45回 アフリカの森林でエボラウイルスを追う:高田礼人

長倉克枝(科学ライター)
201501

日経サイエンス 2015年1月号

4ページ
( 2.1MB )
コンテンツ価格: 500

西アフリカで猛威を振るうエボラウイルスはどこからきたのか
感染源となる動物を探してザンビアの森に分け入り
治療薬の開発にも取り組む


無造作に伸びた髪と髭。高田礼人は大学教授というより,バックパッカーといった方が似合いそうな風貌だ。実際,ザンビア,モンゴル,米国,インドネシアなどを年中飛び回っている。目的は病気を引き起こすウイルスの探索。現在照準を合わせているのは,西アフリカで猛威をふるっているエボラウイルスである。 (文中敬称略)

エボラ出血熱の流行は,いまだ収まる気配もない。ウイルスは一体どこからきたのだろうか。おそらく日ごろアフリカにすむ動物の体内に潜んでいるウイルスに人間が感染し,アウトブレイクを起こしたのだろう。高田は感染源となる動物を突き止めようと,ザンビアのコウモリとサルの体内にエボラウイルスを探している。またウイルスの細胞侵入メカニズムから迅速診断法や治療法の開発まで幅広く取り組む。おそらく今,日本で最もエボラウイルスに詳しい男である。