がん免疫療法の新アプローチ

J. D. ウォルコック(スローン・ケタリング記念がんセンター)
201501

日経サイエンス 2015年1月号

8ページ
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 抗がん剤や放射線治療が腫瘍を直接攻撃するのに対し,免疫療法は身体自身の防御機能を引き出して悪性腫瘍と闘わせる。従来の免疫療法のほとんどは,免疫細胞の力を増強してがんを攻撃しようとしていた。アクセルを踏んで車を加速するようなやり方だが,残念ながら効果はまちまちで,がんの免疫療法は主流にはなり得ないとの悲観論が多かった。これに対し近年,がん細胞が免疫応答を抑えている仕組みが解明され,このブレーキを外してがんを攻撃する新アプローチが登場,悪性黒色腫などを対象にした臨床試験で注目すべき効果が得られている。日本の医薬品メーカーがつい先ごろ製造販売の認可を取得した新薬もある。