特集:クォークの世界
続々発見
エキゾチックな新粒子

中島林彦(編集部)
協力:堺井義秀(高エネルギー加速器研究機構)
201508

日経サイエンス 2015年8月号

6ページ
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物質粒子は素粒子クォークとその反粒子である反クォークからなる。これまでの加速器実験で様々な物質粒子が発見されているが,それらはクォークと反クォークのペアからなる中間子と,3つのクォークからなるバリオン(陽子や中性子など),その反粒子である反バリオンに長らく限られていた。これらを総称してハドロンという。ところが近年,クォークと反クォークの総数が4つや5つからなる,いわゆる「エキゾチックハドロン」と総称される粒子の候補が続々発見されるようになった。物質の世界は従来考えられていたよりはるかに多様性に富んでいるのかもしれない。いったいどんなエキゾチックハドロンがどれほど存在するのか,その探索では日本がリードしていたが,米欧も取り組みを本格化しつつあり,アジアでは中国がライバルとして台頭している。