南部先生が成し遂げたこと

大栗博司(米カリフォルニア工科大学 / 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構)
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日経サイエンス 2015年10月号

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20世紀最高の物理学者の1人で,2008年にノーベル賞を受賞した南部陽一郎博士が7月5日,死去した。博士は素粒子物理学の礎である「対称性の自発的破れ」の提唱者で,クォークどうしを結びつけて陽子などを作る「強い力」を記述する「量子色力学」のパイオニアでもあった。「超弦理論」の源流も博士にある。10年先を見通すとも評されるその先見の明から「素粒子物理学の予言者」と呼ばれた。超弦理論研究で世界的に知られるカリフォルニア工科大学の大栗博司教授は若手研究者時代,シカゴ大学の南部博士の研究室で助教授を務め,博士に身近に接した。大栗教授に南部博士を偲ぶ記事を急きょ寄稿いただいた。