特集:古代エジプトの社会と科学
覆る定説
ピラミッドを築いた人々

Z. ゾーリッチ(フリーライター)
201602

日経サイエンス 2016年2月号

9ページ
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エジプトのギザのピラミッドを研究する考古学者は長年,その土木・建築技術を重点的に研究してきた。しかし,ピラミッドの真の重要性は,その建設のために社会インフラが確立されたことにある。ギザの近くの古代都市「ヘイト・エル=グラブ」と,同時代に栄えた紅海の港「ワディ・エル=ジャルフ」で新たに発見された遺物から,古代エジプトの歴代の王がピラミッド,とりわけクフ王が大ピラミッドを建てるために確立した統治や労働,交易の社会システムがどのようなものであったかが明らかになってきた。そうした社会インフラは長期にわたってエジプトに莫大な富をもたらし,交易相手国の経済も豊かにした。