中性子の寿命の謎

G. L. グリーン(米テネシー大学)
P. ゲルテンボルト(仏ラウエ・ランジュバン研究所)
201606

日経サイエンス 2016年6月号

7ページ
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中性子は原子核に安定した状態で収まっているが,例えば原子炉内でウランが核分裂反応を起こしたりすると,中性子は原子核から飛び出して単独の状態になる。こうした自由中性子は不安定で,比較的短時間でベータ崩壊を起こして陽子と電子などに変わる。自由中性子がベータ崩壊するまでの寿命を世界最高レベルの精度で測定する2つの実験が行われたが,結果にかなりの食い違いが生じている。両者の食い違いの原因を突き止めることは,宇宙の根幹に関わる謎を解き明かすために極めて重要な意味を持つ。