緊急特集:熊本地震
火の国の地下を解く

中島林彦(編集部)
協力:清水 洋(九州大学)
巽 好幸(神戸大学)
西村卓也(京都大学)
201607

日経サイエンス 2016年7月号

14ページ
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 熊本地震では日奈久断層帯と布田川断層帯が連続的に動き,最大震度7の大地震が相次いで起きた。これらの断層帯は西日本を縦断する日本最大の中央構造線断層帯を構成している。地震活動は日奈久,布田川の両断層帯から中央構造線断層帯に沿って九州中部を横断する形で広範囲に拡大した。この地域は別府湾から島原湾にかけて存在する帯状の大地の凹み「別府・島原地溝帯」でもあり,阿蘇山などの火山が集中することから,火山活動への影響にも注意する必要がある。中央構造線断層帯と別府・島原地溝帯の地震火山活動は,フィリピン海プレートが陸側プレートの下に沈み込む動きがおおもとにある。今回の地震活動は,同じくフィリピン海プレートの沈み込みで生じる巨大な「南海トラフ地震」に至る1つのステップとみることができる。