太陽系 混沌からの誕生

K. バティギン(カリフォルニア工科大学)
G. ラフリン(カリフォルニア大学サンタクルーズ校)
A. モルビデリ(仏コートダジュール天文台)
201608

日経サイエンス 2016年8月号

11ページ
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 太陽系以外の惑星系がたくさん発見されるにつれ,太陽系の構成がかなり特異であることがわかってきた。多くの惑星系では,太陽系でいえば水星よりもさらに主星に近いところに惑星が存在する。また太陽系の惑星の公転軌道は円に近いが,多くの惑星系では,かなりいびつな楕円軌道になっている。こうした特異性を最もよく説明できるのは,数十億年前,巨大ガス惑星である木星と土星の軌道が大移動し,太陽系全体が不安定になったとする説だ。この激動の時代には,惑星が太陽に落ち込んだり,逆に太陽系を飛び出して星間空間まで弾き出されたりしたようだ。こうした大変動がなかったら地球での生命の誕生と進化は起きなかったかもしれない。