恐竜時代の哺乳類

S. ブルサット(英エディンバラ大学)
Z.-X. ルオ(シカゴ大学)
201611

日経サイエンス 2016年11月号

9ページ
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 恐竜が王者として君臨していた中生代,哺乳類の遠い祖先はその影に怯えながら小さな虫を追いかけてひっそりと暮らしていた──。そんなイメージを払拭するような発見が世界で相次いでいる。この15年で初期哺乳類の化石が続々と見つかり,恐竜が地球を支配する以前から哺乳類は多様に進化し環境に適応していた証拠が得られた。哺乳類の祖先は脳の巨大化を実現したことで,恐竜とは異なる鋭い感覚を獲得し,複雑な歯を進化させ,代謝を向上させて寒さや暗闇の中で生きる能力を身につけた。恐竜と共存しながら力を蓄えた哺乳類は,恐竜がいなくなった途端,その空きスペースに一気に拡大したと考えられる。