特集:時空と量子もつれ
ホログラフィー原理を解く
エンタングルメント・エントロピーと笠・高柳公式

中島林彦(編集部)
協力:大栗博司(米カリフォルニア工科大学
東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構)
高柳匡(京都大学基礎物理学研究所)
201701

日経サイエンス 2017年1月号

12ページ
( 1.8MB )
コンテンツ価格: 700

 ブラックホールが持つエントロピーの奇妙な性質にヒントを得て,「ホログラフィー原理」が提唱された。重力を含まない2次元空間から,重力を含む3次元空間が生み出されるという考えだ。超弦理論の研究でホログラフィー原理のモデル,「AdS/CFT対応」が見つかり,2次元空間からの3次元空間の生成に,「量子もつれ(エンタングルメント)」という量子力学的な現象がカギを握ることもわかってきた。量子もつれでは「エンタングルメント・エントロピー」という物理量が重要で,「笠・高柳公式」という計算手法によって研究が大きく進展した。