特集:地球外生命探査
土星の月エンケラドスは生きていた

F. ポストバーグ(独ハイデルベルク大学
独シュツットガルト大学)
G. トビー(仏ナント大学)
T. ダンベック(サイエンスライター)
201702

日経サイエンス 2017年2月号

10ページ
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 土星探査機カッシーニの観測データによって,土星の氷衛星エンケラドスの地下には海があり,地表面から海水が噴き出し,プルームを形成していることがわかった。このプルームはエンケラドスの深部を覗き見る窓の役割を果たしている。

 エンケラドスとそのプルームの研究から,地下にある海の温度と組成が推定された。海底に熱水噴出孔があることを示す証拠も得られた。地球にも熱水噴出孔があり,その熱水は太陽光が届かない暗黒の世界で生態系を支えており,原始生命を育んできた可能性がある。

 エンケラドスに生命が存在するかどうかは,海がどの程度の期間にわたって存在し,熱水の噴出が続いてきたかにかかっている。エンケラドスの海と熱水活動は,衛星内部の熱源が続く限り存続する。今後の探査で,この熱源を特定し,あわよくば地球外生命第一号の発見を目指すことになる。