とける永久凍土

T. シューア(北アリゾナ大学)
201704

日経サイエンス 2017年4月号

6ページ
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 本来は年間を通じて凍ったままの永久凍土が,北極の広い範囲で融解している。そこに含まれている動植物の残骸を微生物が分解すると,二酸化炭素とメタンが生じる。北半球の永久凍土は大気中に存在する炭素の2倍近い有機炭素を含んでいる。その5?15%が今世紀中に大気中に放出される可能性があることが,多数のセンサーの計測結果から示唆された。地球温暖化を加速する重荷となりそうだ。