消えたグリーンランドのバイキング

Z. ゾーリッチ(フリーライター)
201709

日経サイエンス 2017年9月号

8ページ
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 中世の北欧で勢力を誇ったバイキング(ノース人)は紀元1000年ころにグリーンランドに進出し,2つの居留地を築いた。広大な農場を開拓し,セイウチを狩猟してその牙をヨーロッパ本土に輸出するなどして栄えたものの,これらの居留地は14世紀から15世紀にかけて相次いで放棄された。衰退の原因は何だったのか? 彼らがヨーロッパ流の習慣に固執して北極圏の暮らしに適応できなかったためだとされてきたが,近年の発見から別の側面が浮かび上がった。1250年ころから気候が「小氷期」に入ったほか,セイウチの牙の貿易が世界情勢の変化によって衰退したこと,北方にいたチューレ族の侵入など,複雑な影響が衰退を招いたようだ。